お嬢様 × 御曹司
-バンッ!


私を抱きしめようとしたたけくんを突き飛ばした。


たけくんは、今まで見た中で一番驚いていた。


そして、彼より突き飛ばした私がきずついたことに、自分でも驚く。


「何!どうしたの?」


ゆうちゃんも音に気がついて飛び出してきた。


多分、私はもう笑ってない。


涙だけが溢れてるだけだ。


「たけ…くん…」


きみも、他の人と一緒だったなんて思ってないからね。


私が日野原の子だから嫌いでも一緒にいてくれたんだなんて、思わないからね。


だからお願い、今は優しくしないで。


「今日は…ありがとう。」


そう言って、逃げるように立ち去った。


たけくんが追いかけてきたけど、初詣の列に紛れて、たけくんをまいた。




自分の家にひたすら走って帰りながら、呟く。


「バカ、バカ、バカ…」


涙はそれでも止まらない。


「バカみたい、バカみたい…」


自分で自惚れて、勝手に失恋して、関係ないたけくんを傷つけて。


ゆうちゃんまで巻き込んで…


ほんと、自分が嫌になる。


「バカみたい!」
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