お嬢様 × 御曹司
仕事 -すれ違い-
あれ、ここ、どこだっけ?


もやがかかった世界。


はじめは真っ暗だった世界もだんだんともやが外れ、色が付いてくる。


私は、自分の席に座り、周りを見渡していた。


身長が、やけに小さいな。


「聖夜ちゃん!」
「聖夜!」


そう言って近づいてきたのは、男の子と女の子。


小学校高学年の時仲の良かった子達だ。


なんだ、私、友達いるんじゃん。


「「一緒に帰ろう?」」


そう言われて、私は大きく笑顔で頷いた。


二人に手を差し出し、三人でいつもの道を帰る。


みんな途中からは迎えの車が来て、そこでサヨナラだけど、そこまでの道では雑草をむしったり、バッタを追いかけたり、恋話したり、普通の小学生だった。


私は、これが夢だと思いながらも、その幸せな時に身を委ねていた。
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