お嬢様 × 御曹司
「兄さん!」


バタンッ!と大きな音を立てながら扉を開け、兄さんの部屋に入る。


かなりの音と勢いで入ったはずなんだけど、兄さんは起きない。


だけど、待ってられるほどに時間はないんだから!


「スーーー」


大きく息を吸って、仕方なく…


「オーキーロー!マーコートー!」


大音量で怒鳴ってやった。


飛び起きるのかと思いきや、眠い目をこすりゆっくりと体を起こす兄さん。


そうだ、この人超マイペース人だった。


「…おはよう」


フワァとあくびを一つしてベットから降りた。


近くにある窓を開けて、私を通り過ぎ、ドアを開ける。


私が不機嫌に振り返ると、兄さんは部屋から出ながら言った。


「服のコーディネートだろ?」


何もかもお見通しってわけね。


私は何も言わず、兄さんの後に続いて部屋を出た。
< 91 / 161 >

この作品をシェア

pagetop