【詩集】愛が死んだ世界
【倫理の子】
死んだ魚みたいな
なにも映さない目を
こちらに向けて
それでも最後まで
逝ってしまわないのは

どこかで壊れるのは嫌だと
思っているせいかもしれなくて
恰好がつかないことに笑った

ウジ虫が優しさを食いつぶして
母性は傷だらけのまま枯れた
私に残されたのは
飢えにあえぐ孤独と
血を滾らせた憎悪だけ
死ぬこともままならない

性を憎んで生を憎んでも
罪を犯さない
人を殺さない
最後のブレーキを
かけっぱなしで
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