フォルドス


「...ッ!おいっ!ヘラ!その子は悠莉だぞっ!!!」

ゼウス様がヘラ様の肩を揺さぶりながら、大きな声でいった。

私は何が起きているのかわからなかった。

『ヘラ...様?』

突き放され、草のうえに倒れた私は泥がついた手と顔を拭うこともせずに、ヘラ様に再度ちかづいた。

「...いっ..や...パンドッラ...愛し子ッよ......」

ヘラ様は泣くことをやめなかった。
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