「君へ」 ~一冊から始まる物語~
最後の方は春稀の涙で滲んで読みずらかった。
きっと春稀も悩んで悩んでこの手紙を私に宛てたんだと思う。
春稀は
『いつか君の心からの笑顔を見れた時、僕は君の前に姿を現すよ。』
と言ってくれた。
そしてそれを見たと言うことは、もう私は春稀にあっているということになる。
「えっ?」
私は思わず声に出してしまった。
そして手紙を読み返した。
『なんか仲間がたくさん増えたみたいだね。』
春稀は私が生徒会のスパイになったことを知っていた。
という事は、生徒会のメンバーの誰か...
「えーーーーーーーーーー」
私は慌てて口に手をあてた。
生徒会の誰かだとすると、海麗さんはないとして、1番怪しいのはやっぱり小澤会長だ。
漢字が違うだけで『春稀』と同じ読みにならなくはない。
でもわざわざ見つけてと言わんばかりの名前にするだろうか?
もう1人怪しいのが夛成来先輩だ。少し私と距離を置いている気がした。
でも根拠はこんなけだ。
私はもっと確信が持てる証拠が欲しいと思った。
私はある決意をした。