「君へ」 ~一冊から始まる物語~



私は翌朝、唯都に今日は少し早く行くと言う事を伝えて家を出た。

学校に行くとすぐに生徒会室に向かった。

少し扉を開けて中を覗くと夛成来先輩が何か手紙のようなものを書いていた。


「夛成来先輩!!」


私は思わず叫んでいた。

夛成来先輩は驚いていた。


「先輩が春稀なんですか?」


私は一か八かはるきと呼んでみた。


「うん。そうだけど。」


夛成来先輩はぶっきらぼうに言った。


「ずっと会いたかった。」


私は今までのことが感情となって溢れてきた。


「ずっと会いたかった。お礼がいいたかった。ありがとう。ありがとう春稀。」


私は泣きながら夛成来先輩に抱きつきながら言った。

でも後輩の女の子がダメだった事を思い出して素早く離れた。

夛成来先輩を見ると綺麗に泣いていた。




「あれ?俺どうしたんだろ。」


夛成来先輩はそう言いながら必死に目を擦っていた。

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