「君へ」 ~一冊から始まる物語~
「クッソーーーーーーーーー」
俺はTシャツをその場に脱ぎ捨てて、川に飛び込んだ。
案の定その川は深く転落死は免れた。が、俺は岩で背中を深く傷つけてたみたいだ。
でもそんな痛みなどかんじず、どんどん沈んで行く玲波を抱きかかえ、河原まで泳いだ。
河原につき、玲波を見ると心臓が止まっていた。
俺は慌てて見よう見まねで心臓マッサージをやった。
玲波に謝りつつも人工呼吸もした。
「頼む!!そっちに行かないでくれっ!!戻ってこい!玲波!!」
そんな俺の呼びかけに答えるように玲波は水を吐き、息を吹き返してくれた。
「唯!玲波!」
俺達が飛び込んだ橋から兄貴がこっちを見ていた。
「唯、玲波は??」
「兄貴、こっちにも救急車頼む!」
「お前すごい傷だぞ!」
「そんな事より玲波だ!!」
俺がそう言うと、状況を理解したみたいで、たまたま歩いていたおじさんに救急車を呼んでもらうよう頼んでいた。
息を吹き返したが意識が戻らないからだ。
俺と兄貴は玲波と一緒に青兄と一緒の病院へ行った。
「はい、実は、はい、はい」
兄貴は玲波たちの両親に電話しているみたいだ。
今は深夜の1時。驚くのも無理はない。