「君へ」 ~一冊から始まる物語~


俺の怒りがピークに達しそうな時、手術室のランプが消えた。


中から医者と大量の機械に繋がれた青兄が出てきた。

青兄は玲波と同じく目を閉じていた。



「あっ...あ、...青波...」


おばさんは青兄を見た瞬間泣き崩れた。


俺と兄貴もさすがに言葉を失った。


「青波...」


今まで口を開かなかったおじさんがおばさんと一緒に泣いていた。


「小澤青波さんなんですが...」


次に医者が発した言葉は俺達をドン底に叩き落とし、おばさんが倒れ、おじさんが医者の胸ぐらを掴むという事態に発展させた。

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