「君へ」 ~一冊から始まる物語~
私は書いている途中ふと思った。
私は朝に見に来ている。だとしたら春稀はいつ私のものを見て、手紙を書いているのだろうか。
張り込みをすればいいじゃんと思う人もいるかもしれない。
でも私はそれをしたくない。
春稀が自分から姿を見せてくれた時に初めて見たいと思っている。
こんな私はわがままだろうか。
わがままと言われてもいい。
でも春稀を裏切るような事だけはしたくない。