「君へ」 ~一冊から始まる物語~
「私ね、玲ちゃんが唯都君のこと好きだってことだいぶ前から知ってたよ。」
私は急な晴の言葉に驚いてしまった。
「玲ちゃんがお兄さんを見る時の目と、唯都君を見る時の目が少し違うの。だからもしかしたらって思ってたの。」
私はそんなにバレていたのかと少し恥ずかしかった。
「唯都はこのこと気づいてるかな。」
晴は少しニヤッとして言った。
「知らなーい。言っとくけど私も唯都君が好きだったんだから。」
私は平然と爆弾発言をしている晴に固まってしまった。