「君へ」 ~一冊から始まる物語~


昨日の夕食の時も思ったが、やっぱり2人は少し寂しかった。

晴は毎日1人なんだと思うと胸が痛んだ。

そして家族がいつもいる私は幸せ者だなと思った。


「妹さん身体の具合はどう?」


私は突然何を思ったのか妹さんについてきいた。

私の記憶では、確か妹さんは晴とは結構離れていて、今小学校1年生だった気がした。


「最近は落ち着いてるんだけど、まだ日常に戻れる状態じゃないんだって。」


そう言った晴はすごく哀しそうな顔をしていた。

きっと晴も妹と遊びたいんだと思う。

女の子どおしだからきっと私たち兄妹より話が合うのだろう。

そんな事を思っていると私はとてもお兄ちゃんたちに会いたくなった。

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