｢君へ｣ ～一冊から始まる物語～

「玲ちゃん今唯都君たちに会いたいって思ってるでしょ。」


私はズバッと当てられて苦笑いした。


「大丈夫玲ちゃんなら、唯都君との関係が変わっても。きっとお兄さんも分かってくれるよ。」


晴は最後まで私のことを励ましてくれた。


「ところで玲ちゃん。いつ唯都君に告白するの。」


やっぱり晴は変化球が得意だった。


「えっ？？？？」


私は唯都に告白するなんて考えてもいなかった。


「まさか、考えてなかったの？？」


私はまたしても心を読まれて少し晴が怖くなった。



私は晴に話を聞いて貰うまで気持ちすら隠していようと思っていた。

告白の「こ」の字すら頭になかった。


「やっぱり気持ちを伝えるって事は告白になるよね。」


私は言ってから何当たり前のことを言ってるんだと自分に突っ込んだ。


「想いは伝えないと伝わらないよ。」


その晴の一言が私を変えた。



『私...唯都に伝えたい。』