「君へ」 ~一冊から始まる物語~
「はあー」
「どうしたの玲ちゃん。大きなため息ついて。」
私はついつい学校でため息をついてしまった。
「もうすぐお母さんとお父さんが帰ってくるらしいんだ。」
「よかったじゃん」
「何も用意できてないんだよ...」
布団もクリーニングに出さなきゃ行けないし、ごちそうの材料も買いに行かないといけないし。
思い返せばやる事は沢山あった。
「頑張って。」
「ありがとう。」
晴の応援を胸に、旧図書室へ向かった。