「君へ」 ~一冊から始まる物語~
しかしそれが変わったのは突然だった。
いつものように、
「あんたお兄さんと本当に血が繋がってるわけ??」
「お前と違って兄貴は...」
「こんな子に育てた覚えはない!」
と、多くの人に色んなように呼ばれ、兄と比べられていた時、
「玲波、お前はもう俺の妹だという事を名乗るな。都と唯にもそう伝えておく。」
私はこの時酷い寒気がした。
これだけではない。その日から誰もいない所での兄からの私への嫌がらせが続いた。
もう私は生きている意味が分からなくなった。
誰にも必要とされていない自分。
兄から存在を迷惑がられている自分。
消えても誰の日常にも影響しない自分。
もう全てがどうでもよくなった。
「そうだ。この世から消えてしまえばいいんだ。」
この答えへの道のりは思いのほか短かった。