「君へ」 ~一冊から始まる物語~



「ただいまー」


どのくらい眠っていたのだろう。

都兄の声で起きた。


「ごめん都兄。今からご飯作るから。」

「いいよ。焦らないで。」


そう言ってくれたが、私は急いで夕食の準備を始めた。

私は何故か唯都の背中が浮かんでいて、生々しい傷痕が頭から離れなかった。

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