「君へ」 ~一冊から始まる物語~


「お父さん!お母さん!」


私は嬉しくて2人に抱きついた。


「大きくなったな玲波。」

「綺麗になったわね。」

「そうかな?」

「唯都もだいぶ男前になったんじゃないか。」

「んなことねーよ。」


約2年ぶりに会った両親はかわりなかった。

両親は私と唯都たちを差別しない。

3人とも平等に育ててくれた。


「どのくらいこっちにいられるの?」

「1週間ぐらいかしら。」


少ないなと思った。

でも安心感と温もりはもう離れられなくなった。

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