「君へ」 ~一冊から始まる物語~
私は次の日唯都と一緒に学校を休んだ。
事件は学校のすぐ側で起き、全国ニュースにもなったため、理由を咎める人はいなかった。
都兄も大学を休み兄妹全員無言で1日病室で過ごした。
そして運命の3日目。
この日を越えれば命にかかわることはなくなるらしい。
しかしそれは起きてしまった。
「先生!心拍数落ちてます!」
「血圧低下!急いで!!」
唯都の病室は戦争が起きたかのような騒々しさだった。
正午を過ぎた当たりから、唯都の病状が悪化した。
ピンコン ピンコン
唯都と繋がっている機械がいつものような規則的な音より、危機感を感じさせる音を鳴り響かせた。
私は急いでナースコールを押した。
苦しそうに見える唯都を私たちは
「頑張れ唯都。頑張れ頑張れ。」
と願うことしかできなかった。