「君へ」 ~一冊から始まる物語~



そんなお祈りをした次の日私は病室に行く気が出なかった。


私が唯都にあったらどうしても幸せを願ってしまう。


そう思うと唯都に会えなくなってしまった。


「玲波ちゃん...」
「玲ちゃん...」


莉樹君と晴が心配してくれたが、私は会話する気力もなかった。


放課後2人は無言で側に居てくれた。

家族以外の体温は少しぬくかった。

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