「君へ」 ~一冊から始まる物語~


すると、目の前にお兄ちゃんが見えた。

にっこり微笑んで頷くお兄ちゃんがいた。

それは月光にも負けない光となって空の彼方へ消えて言った。

もしかして成仏出来ていなかったのではと思ったがそれだけ近くで守ってくれていたんだとまた涙が止まらなくなった。


「私も唯都に伝えたいことがあるよ。」


そう言って私たちは支え合いながら黒板に向かった。

1本だけあった白いチョークを半分に割り、私たちは描き始めた。

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