「君へ」 ~一冊から始まる物語~
繋がった想い
私たちは誰にも見つかることなく学校を後にした。
私は唯都の杖となり病院まで歩いた。
私の身体全身に響き渡る唯都の音は生きている証だった。
それはとても心地よかった。
病院に着くと都兄がいたが、私たちは今までで一番怖い都兄に怒られた。
別の意味で泣きそうになった。
最後に都兄は怒るのを辞め、優しい笑顔で
「おめでとう。」
と言ってくれた。
やっぱり都兄にはバレていた。
都兄は私たちのことを認めてくれた。