「君へ」 ~一冊から始まる物語~
コンコン
ドアを叩いてもいつもの様に返事が返ってこなかった。
私たちは不思議に思ったが、中に入ろうとした。
パンパン
中に入ると何かが弾けたような音と、何かが体に巻きついた。
巻きついた物の正体は紙テープでそこにはクラッカーを構えたみんながいた。
「「「「退院おめでとーーー!!!」」」」
皆はサプライズを仕掛けてくれていたんだと思った。
「ありがとうございます。」
唯都は驚きながら少し照れていた。
生徒会室のテーブルにはたくさんのジュースやお菓子が並んでいた。
「さ、パーティーしよ!」
衿基会長の掛け声でパーティが始まった。
パーティでは、ゲームをしたり、おしゃべりしたり、色んなことをして楽しんだ。
そしてもう最終下校が近づいてきた時、唯都が切り出した。
「俺を支えてくれた皆さんに伝えたいことがあります。」
「どうした急に改まって!」
そう言ったのは唯都だった。
きっと莉樹君だけは勘づいて居るのだろう。