「君へ」 ~一冊から始まる物語~
その日も私は授業をサボり、自分の場所で私の世界にいた。
まるで迷路の様な場所だが、私は、何かに引きずり込まれるようにそれにたどり着いた。
「 」
表紙に何も書かれていないそれは、誰がいつ頃書いたのかさえ教えてくれなかった。
恐る恐る本を開いたが、初めの1ページ以外まるで本が見られるのを拒むかのように開くことが出来なかった。
しかし私はあえて見ようとはしなかった。見れるページを見ようと思った。
そして私は見れるページの間に手紙が挟まっていることに気づいた。