「君へ」 ~一冊から始まる物語~
しかし伝わってきたのは、拳の痛さではなかった。目を開けると目の前には見なれた手があった。
そして頭上から手と一致する声が聞こえた。
「なにやってるの?」
「「「キャー!小崎副会長!!!」」」
相変わらず唯都人気は絶大で、今や学校ナンバーワンとまで言われている。
それはこの3人も例外ではなく、
「「「聞いてください、小崎副会長。」」」
急に猫をかぶりだして鼻から声を出していた。
私は吹き出しそうになったが、懸命に抑えた。