「君へ」 ~一冊から始まる物語~


「この人が乱暴な言葉で傷つけてくるんですよー」


そんなの私は毎日だけどね。もっとひどい言葉で殺られてるよ。

私は心の中でひっそり思った。


「へぇーじゃあこれは何?」


私は他の人は感じないかもしれないが、唯都の声のトーンが少し下がったのがわかった。

ちょっとイラついてる時の声だった。

そう言って唯都は制服のポケットからスマホを出した。


『ねぇ、それわざとやってる?』

『性格腐ってんじゃないの?』

『ちが...』

『あー喋んないで、吐き気が止まらなくなる。』




そこには今までのやりとりの一部始終が残されていた。

だんだん3人の顔が青ざめていった。

すると今まで冷たい笑みを浮かべていた唯都の顔が引き締まった。


「生徒会執行部副会長小崎唯都。
あなた達に生徒会室に行くことを命ずる。」


この学校で絶大な権力を持っている生徒会。

そこに呼ばれる事はもうこの学校では生きていけない事を意味している。

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