「君へ」 ~一冊から始まる物語~
「待って、小崎君。この人も同じよ!
この人なんか私を投げ飛ばして、ガサツな言葉で傷つけたんですよ。」
そう言えば私の会話は一切入っていなかったなと思った。
すると、それを聞いた唯都が急に大きな声で笑いだした。
でもそれは旧図書室で見た唯都の本当の優しい笑顔ではなかった。
「小崎先輩??」
一緒にいた恐らく生徒会の後輩が不思議そうに唯都を見ていた。
「ハッ...ハッハッハッ...これは笑えてくるわ。
お前が...お前みたいな奴がそれを言うのかっ...」
周りの野次馬の人たちも目がキョトンとしていた。