「君へ」 ~一冊から始まる物語~
「じゃあ俺会長のところ行ってくるから。」
『会長』
この人物はこの学校で校長先生の次にえらいひとだ。
すれ違うだけで緊張する。
唯都はそんなことを思い出して、顔が強ばっている私を安心させようと話しはじめた。
「生徒会メンバーには玲波の事は話してある。生徒会メンバー全員が玲波の味方だ。」
この学校で絶大な権力を持っている生徒会。そんな人たちが味方についてくれるなんて、これ以上安心なものはないと思う。
そして私も唯都に負けないぐらいの満面の笑みを浮かべた。
「ありがとう唯都。」
そしてチラッとその本がある方をみて、心の中で言った。
『ありがとう春稀。』