「君へ」 ~一冊から始まる物語~


やっぱり春稀も知ってたんだ。

私はそう思うと体に勝手に力が入った。

でも今さらどうする事も出来ない問題なので、時間と共に力は抜けていった。

さっきまで曇っていた空から真夏の太陽が顔を出して、私を照らした。

まるでお前に逃げ場はないと言われたような気がした。

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