「君へ」 ~一冊から始まる物語~
旧図書室を出ると、見覚えのあるツインテールの女の子が外の太陽を眺めていた。
私はその姿はとても美しいと思った。
「あっ」
彼女は私に気づいたらしく、駆け寄ってきた。
「あの、先日は助けていただいてありがとうございました。あの...私は」
「雨宮晴(あめみやはる)さんでしょ?」
「えっ?どうして私の名前...」
私はなぜか空を眺めている彼女の横顔を見たら名前が勝手にて出てきた。
「同じクラスだし、知ってるでしょ。」
またしてもウソをついてしまった。
「あの...」
「お礼なら唯都に言ったほうがいいと思うよ。」
私は言ってからしまったと思った。唯都のことを気軽に名前で呼んでしまった。
でももうバレているからいいかと思った。