「君へ」 ~一冊から始まる物語~
そしてお泊まり会当日。
「おかえり玲波。」
「ただいま。」
「いらっしゃい雨宮さん。」
「こんにちは小崎先輩。」
「よっ。」
「小崎君も、3日間よろしくお願いします。」
「「「こちらこそよろしく。」」」
私たちは晴を盛大に迎えた。
「そういえば都兄、今日講義は?」
「今日は午前中で終わりだったから。」
「そっか。」
都兄と話していると階段の真ん中当たりから唯都の声が聞こえた。
「玲波!」
「何?荷物玲波の部屋に置けばいいの?」
「そうだよ。」
「いいよ小崎君、重くないから自分で運ぶよ。」
「いいよ、雨宮は下で待ってて。」