「君へ」 ~一冊から始まる物語~


「実はねー2人とも、実のお兄ちゃんじゃないんだー。」


私はあまり深刻にとらえられても困るので、軽い感じて話しはじめた。


「えっ?」


晴も予想外だったらしく、目が真ん丸になっている。

私は机の引き出しから一つの写真を出した。

それは兄が亡くなる3ヶ月前の私と唯都の入学式の写真だった。

この写真が4人で写る最後の写真になるなんて、この時は誰もおもってなかったと思う。

4人とも満面の笑みだった。

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