「君へ」 ~一冊から始まる物語~



「小崎君もこんなに無邪気に笑う時があったんだね。」


私は晴に言われて初めて気づいた。

『確かにこの時の唯都は全然クールじゃなかった。唯都が クールになったのは...』

そう思って気づいた。唯都があまり笑わなくなったのは、兄が亡くなってから、私がいじめられるようになってから...

唯都の笑顔を奪ったのは





『わたし』





胸がきゅーと締め付けられた。

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