「君へ」 ~一冊から始まる物語~
「海だ!!!」
という訳で、私たちはお母さんの好意に甘えて、1泊で海に来た。
きっとお母さんとお父さんは私が旅行に行ったことがないことを知っていたんだと思う。
もちろん唯都たちも。
私、気を遣わせてばかりだなとおもった。
海での楽しいひと時は、過去も学校のことも全て忘れることができた。
でも、そこでも忘れられなかったのが春稀の事だった。
夏休みだから春稀も本を進めてはいないと思う。
そう思っても、後1ヶ月も話せないのかと思うと、少し寂しかった。