「君へ」 ~一冊から始まる物語~
お風呂から上がってきて、唯都たちの浴衣姿をみたらあまりのカッコよさに見とれてしまった。
「「どうした?」」
2人が不思議そうに私を見ていたが、サッと目を逸らしてしまった。
寝る前にもひともんちゃくあった。
布団は動かせないので、誰がどこで寝るかだ。
くじの結果、窓側に唯都、ドア側に都兄、真ん中に私となってしまった。
「かわろうか?」
と言ってくれた都兄の気遣いは辞退した。
こうなったら意地でも実の妹を貫くぞと決めた。