「君へ」 ~一冊から始まる物語~


「玲ちゃん、一緒にお弁当食べよ。」


今まで人とお弁当を食べるなんて考えもしなかった。

でも晴と友達になって、その考えは変わった。


「雨宮、玲波。生徒会室で一緒に食べないか?」


唯都が晴より少し遅れて来た。


生徒会室で食べるという事は、会長と一緒にお弁当を食べるということだ。


「会長が2人とも誘って来いってうるさくて...」


そんなことを言われたら、断るにも断れなかった。

でも色々とお礼を言いたいこともあるし、何より私は会長が春稀何ではないかと少し思っている。



だから私は行ってみたかった。

会長という人に少しでも近づいて見たかった。

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