ばかって言う君が好き。
でもね、直人。
もういんだよ。
私は微笑んだ。
もう、十分。だって、見て?
こんな一文字一文字大切に描いてくれたHappy Birthday見せられたら、私もう泣けてきちゃうんだよ。
それぐらいね、それぐらい、あなたが私の為に作ってくれたことが本当にうれしくてうれしくて。
「直人。」
「ん?」
「最高のプレゼントありがとう。」
私は彼に優しくキスした。
「どういたしまして。」
おでこをあわせて私たちは笑いあう。
テーブルの上には甘いケーキ。
同じくらい甘いあなたが私の目の前。
抱きしめ合って、何度も愛をそれにこめて伝えて、私達の間に熱い吐息がこぼれる。
「倫子、大好き。」
彼がキスする。
「私も大好き。」
キスし返す。
私たちは微笑み合う。
「倫子、ちゅー。」
たこみたいにふざけて口をとがらせる彼。
調子にのると彼はいつもこう。
でもそんなところがたまらなく、たまらなく……。
「目、つむって?」
彼はぎゅっと目をとじた。
私は微笑みながら、彼にキス……
ではなく?
「ちょっと、クリームじゃん!」
そう、私は指にチョコレートクリームをつけて、彼の唇に当てたのだった。
「おいしいでしょ?」
「おいしいけどさ~。」
一口ケーキを食べて、またたこのように口をとがらせながら、ぶーぶーという彼。
しょうがないな~そういいながら、私は彼の手からスプーンを奪った。
私の口に甘いケーキの味が伝染した。