ばかって言う君が好き。
Sept
1年前は、こんな時間でも頑張れば会える距離だったのに。
電車がパアーンと音をならして、私の横を通り過ぎる。
相変わらずのいつもの道。
夜ご飯を一人で食べ終わって、夜風に当たりたくなって。夜の10時、私は当てもなくただ歩く。
『ごめんね、、寂しい』
朝そう送ってしまった彼へのメッセージ。
『ごめんな、、今度は俺が忙しくなっちゃった。
連絡も遅れるかも。』
お昼過ぎて送られてきたメッセージ。
「分かってるよ。」
私はつぶやく。
この時間のこの道は車の音が遠くから聞こえるだけだから、声がちょっと響いてしまう。
でもどうでもいい。
誰かに聞かれてしまっててもいいの、もうとにかくいろいろ。
そんな風に投げやりになっているせいかな、忙しいって言われると分かって、朝寂しいと送ってしまったのは。
私が忙しかった約1ヶ月、電話もままならなかった。
LINEも少なくなってしまっていた。
そんなタイミングで、彼は少し仕事が上手くいかなかったらしく、落ち込んでいたようだった。
当然私は彼を元気づけたくて。
頼ってきてくれるなら、支えたいわけで。
どうにかやりくりし、彼との時間も確保していた。
そんなこんなでやっと私が落ち着いた頃、今度は彼が新しい仕事を任されることになり、これからもっと忙しくなっていくみたいだった。
彼が上手くいくことは嬉しいことなのだけれど…、なんだかすれ違っているみたいで、もやもやしてしまう。
1年前のこの時期は、あなたと笑って、電話して、仕事終わり会ってたのにな……
別にどこかに連れていってほしいとか、そういうんじゃない。
何もいらない、何も言わなくてもいい、
ただ君のそばにいたい、会いたい。
それだけなのに、それもできない虚しさが心にぽつん。
そんな風に彼も考えてくれてるのかなと考えながら、彼は忙しいからそんなことはないだろうと、なんだかまたまたぽつん。