ばかって言う君が好き。
Feb
それからというもの彼からの連絡はめっきり増え、
『私の仕事はどう?』とか『生活はどんな調子?』とか私の心配をして、話を聞いてくれる始末。
『どうしたの?
そんな風に聞いてくるなんて? 』
そう彼に聞いても
『ちゃんと倫子のこと支えたいしね…!w』
って答える彼。
まわりくどい、まわりくどい、甘い言葉。
『 やめてよ。そんな風に優しくするの…。』
なんてことも言えず、
『 嬉しい、ありがとう…。』
なんてことももちろん言えない。
ただ、
『 直人も体壊さないようにね。』
そんな、また当たり障りもないことを。
大丈夫、忘れられる。
忘れて見せる、いや忘れなきゃ―――あなたの気持ちはだってきっと“そう”なのだから……。
本日4通目の連絡。夕方のこと。
2週間連絡をしないことだってあったのに、4通だなんておかしな話。
『誕生日プレゼント、何がいいの?』
そうだった、今日は16日、明日は私の誕生日。
彼に自分の誕生日を気づかせられるなんて。
会う予定はなくなっていまったけれど、彼はプレゼントをせめて郵送で送りたいとのことで……
いっそ忘れててくれたらな。
彼の事ひどい人だって思えるのに。
そう思いながら、私は仕事を淡々とこなす。
『何もいらないよ、気にしないで。
プレゼント買う時間取るの難しいでしょう?』
結局彼に返事をしたのは、いつもの道を帰りながらの事だった。