ナイトライダー
あのスーツの女だった。女は話始めた。

私は、石原といいます。
あなた、以前、病院で薬を処方されたわよね。あれは、あなたの具合を良くする効果と、あなたのライダーとしての資質を高める作用があったの。勝手なことをして、ごめんなさい。でも


あなたは、見事に目覚めて、ライダーに変身したわ。

今、この日本には猫男のようなモンスターが、あと何匹かいるの。正確な数は把握されていないけど。そのモンスターに、遭遇すると、自動的に、あなたは、変身するわ。


僕は、慌て言い返した。

どうしたら、元の姿に戻れるの?


ベルトにボタンがあるでしょ?押してみて。


僕は、言われた通りにすると、元の姿に戻った。


そして、電話は切れた。


それから、しばらく何もなかった。僕は、新聞を配り、秋葉原に行く日々を変わらず過ごしていた。

その日、夕刊の配達を終えて、販売店に戻ると、テレビでワイドショーが放映されていた。

アイちゃんが、ステージに立っている姿が一瞬見えた。他の配達員が話しているのが、聞こえた。


アイツ、まだアイドルやってたんだ

もうイイとしだろ


何やらかんやら言っている。僕は、彼らに何か言おうとしたが結局、そっと帰った。

下唇を噛んで。
< 4 / 10 >

この作品をシェア

pagetop