君に触れたい……。

桜雪

翌日から、俺は毎日の放課後を綾崎と過ごすようになった。


いつも他愛のない話をしては、家路に着く。


そんな風に、変わった。


「ねぇ、九葉君?」


「何?」


「九葉君って呼びづらいから、名前で呼んでも良い?」


黒目がちな丸い瞳で俺を真っ直ぐに見据えて、綾崎はそう言った。
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