君に触れたい……。
ショートヘアーの黒髪を風に靡かせて池に佇む姿は、本当に綺麗なのだ。


加えて微笑めば、もう言うことなどない。


「ねぇねぇ、鈴君! 今日は学校どうだった? 楽しい?」


雪は瞳を輝かせて、いつも俺の学校での話を聞きたがる。


本人曰く、記憶がないせいだという。


一年間だけとは言え、女子高生をしていたという話に実感が湧かないのだと言っていた。


だから俺の何てことのない話が、とても面白いのだとも。
< 20 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop