君に触れたい……。
桜の渦を背景にした雪が、そう言った。


俺は一瞬戸惑ったが、笑みを浮かべて、答えた。


「当然。雪は可愛いよ」


そう言うと、雪は目を丸くして、次いで俯いた。


その顔は、真っ赤だった。


「……っ」


そんな風に反応されてしまうと、俺の方こそ照れてしまう。
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