君に触れたい……。
「いや、流石にそれは無理でしょ。第一……見えるの?」


苦笑しながらそう訊くと、雪は一瞬キョトンとしてから、首を傾げた。


「う~ん……。さぁ、どうなんだろ?」


やはり、本人にも判らないらしい。


「だよなぁ……」


俺はそう言って、小さく溜め息を零した。


地面に座り込み、空を見上げる。


気持ちのよい、柔らかな陽光が差し込んでくる。
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