君に触れたい……。
雪は、本当に嬉しそうに微笑む。


よく笑うのだ。


こんな所に独りで居るのに、記憶もないのに、笑顔を絶やさない。


時々心配になるが、それが嬉しかった。


「夏休み入ってからも毎日来てるだろ。そろそろ俺の顔見飽きないのか?」


冗談目かしてそう言うと、雪は微笑んだまま首を振った。


「飽きないよ。だって私、鈴君と居られて本当に嬉しいもの」
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