君に触れたい……。
雪は賢い。


だからこそ、無理なことをねだったりはしない。


それでも残念そうに校舎を、正確にはその向こう側にある川原を見ている雪。


その寂しそうな横顔に、俺は何とかしてやりたいと思った。


そして、考えたときには既に動き出していた。


「分かった」


「へ?」
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