君に触れたい……。

不安

秋色に染まった景色が校舎を囲む。


黄色や茶色の葉が舞い降りてきては地面を鮮やかに彩る。


すっかり夏の暑さを忘れたこの頃は、上着なしで外を出歩こうとは考えなくなった。


「う~、寒みぃ~」


俺も薄手のコートに身を包み、登校していた。


「オイッス、鈴~! 今日もつまんなそうな顔してんな~」


「……そう言うお前は無駄にうるさいよ、渡木。冬眠してくれれば静かで良いなぁ」
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