君に触れたい……。
「……何を……思い出したの……?」


やっとの思いで口に出来たのはそんな言葉。


嗚咽を堪えて肩を震わす雪の姿が、見ていて痛々しかった。


「……水の中に、居るの……」


「水? それは、何処?」


俺の言葉に首を振る雪。


恐らくはっきりとは思い出せていないのだろう。
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