君に触れたい……。
だから俺は、雪の作り笑いを信じてやらない。


離れようとする雪の頭に手を遣り、自分に引き寄せる。


驚いた表情をした雪だが、すぐに穏やかな笑みを浮かべた。


「……独りで抱え込むなよ……。それじゃ、俺が居る意味がない……」


「……うん。ありがとう、鈴君」


夕日が辺りを照らす。


その日、日が沈むまで一緒に居た。
















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