君に触れたい……。
「……家の、近くに……」


"家"


そう言った。


記憶のない雪の、家。


俺は目を見開いた。


そして、訊く。


「記憶が……戻ったのか……?」


狼狽しながらそう言うと、しかし雪は首を横に振った。
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