君に触れたい……。
【綾崎雪】


そう書かれたプレートの横を過ぎ、ノックをしてから扉を開ける。


中に入ると、そこには誰も居なかった。


「……雪……」


目の前には、機械に囲まれて眠る、雪の姿があった。


雪は自身の肉体に近付くと、頬を撫でた。


「……ずっと、ここに居たのね……」


ポツリと呟いた雪。
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